新商品のご案内「舞鳳無地集(襖紙)」


毎度どうもです。
西野商会Web担当の紙太郎です。

 

日本の和「襖」

日本の和を語る上で欠かせないアイテムの一つである襖。

襖ときいて、まず何を思い出すでしょうか?

襖が常に身近なもとのとして存在する(存在した)方は、襖の奥にある仏壇に正座でお祈りしたり襖で仕切られた部屋の中で親に叱られたりと、その格式高い様式美と相俟って、思わず背筋が伸びるような場面を思い出してしまうのではないでしょうか。

様々な場面と関連して思い出す襖ですが、単なる空間を仕切る道具ではない、不思議な魅力に溢れています。今回はそんな日本の和「襖」の世界を、少しばかり覗いていこうかと思います。

 

襖の意外な役割

はるか昔の時代から現在に至るまで、永きに渡って存在し続ける襖。

その基本的な構造こそあまり変わりませんが、時代の変遷に伴い、道具として持つ意味合いはその時々で少々異なってきます。

例えば、武士が権力を握っていた時代では、政治的な意味で接客・対面の儀式としての機能がより意識されていました。それは、将軍を頂点にした武家の主従関係を示すためです。封建制度の名の下、武家の序列を演出するための道具として襖は大きな役割を占めていました。

襖からどこか厳かな雰囲気を感じ取ってしまうのは、もしかしたらそういった武家の名残りが未だに少しあるのかもしれませんね。

 

襖が育む美学

そのためか、いざ襖を目の前にするとすんなりと開けることをためらってしまいがち。むやみに開けられない、心理的葛藤がそこにはあります。

ちょっとだけならバレないだろうとそっと中を覗いて気付かれでもすれば、「鶴の恩返し」のあの有名な場面のように、もうここにはいられない(いたくない)と言わんばかりの気まずい空気が流れること請け合い。
時代が時代であれば、斬り捨て御免です。

そうならないようにあらかじめ、襖に耳をそばだてて中の様子を推し量ったり咳払いをひとつして相手にこちらがいることを察知させたりetc。

それはまさに襖越しの美学ともいえるような、日本人特有の美徳です。
現在でいうところの、「空気を読む」あの説明し難い感覚にどこかしら通ずるものがありますね。

 

職人技が光る襖紙

そんな襖の独特な世界観を形作っているのは、いわずもがな、襖紙をつくる職人の繊細な技術によるものです。

たとえ同じような見た目の襖紙であっても、使用する原料やその配合率、さらには漉き方によって、価値はがらりと変わってきます。
さらに、粉砕した天然の帆立貝を漉き込んだ、一風変わった襖紙も存在します。

そのバリエーションの豊かさもさることながら、それを発案し実現させてきた職人の方々には、畏敬の念を抱かざるを得ません。

そんな職人技が光る襖紙。
この度、「和紙屋 いぃざぁ」に新商品「舞鳳無地集」として掲載するお運びとなりました。

様々なタイプの襖紙を取り揃えておりますので、「和紙屋 いーざぁ」へぜひともお越し下さい。

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電話、06-6271-8495